ユダヤの総督ピラトの光と闇(2020/03/29 井田一郎教師)

「ユダヤの総督ピラトの光と闇」詩編56編12節~14節/ヨハネによる福音書19章6節12節

井田 一郎教師

ローマ政府から派遣された第五代総督ポンテオ・ピラトはユダヤ、サマリア、イドマヤの三地域の行政官でありました。ピラトの十年間の任務の中で特筆すべきことは、イエス・キリストを裁判の席で十字架にかけることを言い渡した証人となったことです。そうしたことからピラトの名は、今も尚、全世界のキリスト者によって読まれている「使徒信条」の中で「ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け」と記され、いやがうえでも、神の光に照らされ、世界史の上でイエス・キリストの死に際しての証人となり、光の人となったのです。ピラトの名は、人類がこの地球上に存在し続けるかぎり、世界のキリスト者のみならず世間一般の人々に忘れ去られることのない人物なのです。

しかし一方ではピラトは、先に記したように、人々がイエスを訴え出た時に、主が無実であると承知しながらも、自らの保身のために、主を十字架につけるようにと言い渡す、闇の一面も持っているのです。

このピラトの闇の面を通して私達は、神を忘れ、イエスへの憎悪をむき出しにする人々の姿を示されるのです。この人々の姿は、私達が陥りがちな姿でもあるでしょう。

私たちの信仰生活の中で一瞬でも隙を見せると、サタン(誘惑)は、待ってましたとばかりに私たちの心に入り込み、私達を罪へと誘い込むのです。だからこそ私達は、神を畏れ、神からくる真理のみ言葉を忘れず、常に祈り続け、このサタンからの誘惑を撃退し、歩んでいきたいと思うのです。

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