主イエスは道・真理・命(2019/10/20 熊江秀一牧師)*説教音声あり
「主イエスは道・真理・命」出エジプト記33章18節~23節/ヨハネによる福音書14章1節~7節
熊江 秀一牧師
「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない」。この宣言は主が十字架にかけられる前夜、最後の晩餐の席で、決別の言葉として語られた。主の命によって実現した宣言である。
この時、弟子たちは裏切り予告と別れの言葉に「心を騒がせ」ていた。そんな弟子たちに主は、天の住まいを用意したら「戻ってきて、あなたがたを迎える」。だから「神を信じ」「わたしをも信じなさい」と告げる。しかしそれでも弟子たちは不安であった。その心境を代表するように「主よ、あなたがどこに行かれるのか、わたしたちには分かりません」とトマスが尋ねる。この問いは主を信じることが大切だと知りつつも迷ってしまう私たちの叫びである。その中で主は「わたしは道であり、真理であり、命である」と宣言する。これは主に従う姿を根底から覆す。主はご自身が道であると宣言するからである。主こそが神に至る唯一の道なのである。
さらにこの時の主の姿を思う。ヘブライ語で道は「デレク」である。これは「踏みつけられたもの」という意味がある。主は自らが踏みつけられる道となって、私たちを神のもとへ招かれた。それは主イエスの十字架の姿である。
そして主は真理となられた。独り子を下さるほどに愛し、救う神の真理が主によって実現した。さらに主は命となられた。罪により滅ぶべき私たちを主は神のもとに導き、永遠の命を与えて下さった。
この主を通して、私たちは今、父なる神を見ている。そして主の道を歩む者は、主に似た者へと変えられてゆく。トマスが変えられたように。私たちも主の宣言を受け、共に主の道を歩もう。