あなたのために祈った(2021/2/28) 高橋真之伝道師

「あなたのために祈った」

詩編130章1~8節/ルカによる福音書22章31~34節

高橋真之伝道師


主イエスは十字架にお架かりになる直前、弟子のペトロに、彼が主から離れていくことを告げた。それを聞いたペトロは主に「私は何があっても最後まで着いていく」と豪語する。しかしこの後、ペトロの決意は結局のところ、もろくも崩れ去ることになった。ペトロは主の言葉通りに、三度も主を知らないと言ってしまうのである。  

ペトロをはじめ弟子たちは皆、主の十字架を前に逃げ出し、主の弟子としての覚悟も自身もバラバラに打ち砕かれた。しかし、弟子たちは意気消沈したまま一生を終えたのではない。そんな彼らを立ち上がらせた言葉があったのである。それは主イエスの、「あなたのために祈った」という言葉。ペトロは、主の言葉通りに三度も主を知らないと言ったまさにその時に、主のまなざしに触れ、この言葉の意味が分かったに違いない。あれだけ「自分だけは」と言っていたのに、土壇場になって、主を裏切ってしまったペトロ、しかし、そのペトロの為に主は祈っておられた。その主の祈りに支えられ、ペトロ達弟子は再び立ち上がる力が与えられていく。

教会は弟子たちによって建てられて以降、この主の祈りの中を歩んできた。だから教会に生きる私達は、たとえどんなどん底にあろうとも、そこで私達にも主による支えが、祈りがあることを確信してよいのである。 そして、その祈りに生きる私達には、重要な役割が与えられている。それは、「立ち直ったら兄弟を力づけてやりなさい」ということ。弱さを知る私達は、同じ弱さを覚える隣人を力づけることができる。「あなたのために主が祈っておられる、主が支えておられる。あなたのことを主が立ち上がらせてくださる」と。私達はそれぞれの場所でこのことを証していこう。

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