イエス・キリストの誕生(2020/12/20) 熊江秀一牧師

「イエス・キリストの誕生」

イザヤ書9章1~6節/ルカによる福音書2章1~14節

熊江秀一牧師

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ルカの降誕物語はローマ皇帝の名前から始まる。アウグストゥスは「世界の救い主」を意味する称号で、名前はオクタビアヌスである。彼は世界を動かす強大な権力を持ち、治世は安定し、「アウグストゥスの平和」と呼ばれた。しかしその平和は力(武力)によった。

 主イエスが誕生した時も皇帝による住民登録の中にあった。それは税金を取り、皇帝に忠誠を誓わせるための絶対的な命令であった。

この命令の中、ヨセフは身重のマリアを連れてナザレから本籍地のベツレヘムに旅をした。その途中、主イエスは生まれた。力によって「世界の救い主」 と称された皇帝と対照的に、愛と犠牲によって人を救う真の「世界の救い主」として誕生した。

救い主が生まれたベツレヘムはダビデ王の出身地であり、預言者ミカによって民の牧者となる救い主が生まれると預言された場所であった。ダビデの家系のヨセフを父として救い主イエスが生まれたことは神の言葉の実現であった。

かつてベツレヘムでサムエルによって王に油注がれた時、最も小さいダビデが神によって選ばれた。救い主も、このベツレヘムで最も小さい姿でお生まれになった。しかも馬小屋で、町の誰からも目を留められることなくひっそりと生まれた。この姿は後の十字架へとつながっていく。

さらにベツレヘムはルツ記の舞台でもある。神はボアズを通してルツとナオミに愛を与え、救い出す。それはあがなう者の姿である。主イエスはこのあがなう者として世に来られた。

救い主誕生はまず羊飼いに告げられた。彼らの喜びはどんなに大きかったことか。さらに天使たちは「天に栄光、地に平和」と歌う。

私たちも救い主誕生の喜びと賛美にあふれ、新しく歩み出そう。

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