「天に書き記された名前」(2018/05/27 熊江秀一牧師)

「天に書き記された名前」 詩篇23章1節~6節/ルカによる福音書10章17節~24節

熊江 秀一牧師

永眠者記念礼拝に、主に遣わされた弟子たちが悪霊に対する勝利と喜びにあふれ主の元に帰ってきた、という箇所が与えられた。この弟子の姿は、主によってこの世に遣わされ、主の元に帰る、神の民の人生の姿でもある。弟子の旅がそれぞれ違ったように、神の民の人生も違う。しかしその人生は主に遣わされ、主の元に帰る人生である。そしてその旅は、主の勝利と喜びにあふれた人生である。

 

しかし主は、ここでその旅の人生で本当に喜ぶべきことを告げる。それは悪霊に打ち勝つこの世の勝利ではなく、私たちの名前が天に書き記されていることである。この世の人生を越えた、もっと大きな恵みが天に備えられていることに目を向け、喜びなさいと告げるのである。私の名前が天に書き記されている。そこに何者にも勝る私たちの人生の喜びがある。

 

しかし私たちはそのことを忘れ、この世の勝利ばかりを求めていないか。使徒パウロも私たち信仰者が、この世の成功やこの世の勝利のためだけにキリストを信じているとすれば、最も愚かで惨めだと言った(コリントの信徒への手紙(一)15章)。十字架の愛と命を持って私たちの名前を天に書き記してくださることが神の民の喜びである。この喜びを持って、与えられた人生の旅を歩みたい。

 

主イエスご自身もそのことを喜び、主を賛美した(21節以下)。この喜びはかつての王も預言者も、見たくても見ることができず、聞きたくても聞くことができなかった喜びである。この喜びは今や、主イエスによって実現したのである。

 

主の元に帰って言った先達も、この喜びの中を歩まれた。私たちも先達に続いて、天に名が書き記されていることを喜び、信仰の人生を歩もう。