礼拝説教要約「最も重要な掟」 (2025/3/23)を掲載しました
担当 熊江秀一牧師
■聖書箇所(聖書協会共同訳)
マルコによる福音書 12章28~34節 レビ記 19章9節~18節
主イエスは最も重要な戒めとして二つの愛の戒めを語った。「心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」。「隣人を自分のように愛しなさい」。
最初の神への愛の戒めは申命記6章4~5節である。「心を尽くし」その人の最も深いところから、「魂を尽くして」いのちの限り神を愛する。また「思いを尽くし」知恵を尽くして。私たちは神を愛するために学び、子どもを教育する。「力を尽くして」は私たちの行いが問われる。
隣人愛の戒めはレビ記19章18節である。神への愛と隣人愛の戒めは車の両輪、二つで一つの掟である。この二つを主が結び付けて教えて下さった。
隣人愛の戒めを要約したユダヤ教の言葉がある。「自分が他人にされたら困ることを、他人にしてはならない」。主はさらに積極的な愛に生きるように教えた。「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」(マタイ7:11)。自分の田畑であっても神の前に立つ者として、弱い立場の人々のために実の一部を残す姿である。
この主の二つの愛の教えを聞いて律法学者は感動した。しかしそれで終わってはならない。この掟に生きなければ神の国に入れない。しかし私たちはこの愛の戒めを守り切ることはできない。むしろ自分の愛のもろさと罪を知るしかない。この戒めが救いの条件ならば、だれも救われない。
しかしただお一人、この愛の戒めを成し遂げた方がいる。主イエスである。主がこの愛に生きて下さったから、私たちに神の国は開かれた。その時、この愛の教えの意味が変わった。救いの条件ではなく、救われた者の感謝の生き方となった。主の愛を受けた者として、私たちは神を愛し、隣人を愛するのである。