今や現された主の救い(2022/2/6)熊江秀一牧師
■聖書箇所:
ローマの信徒への手紙16章25~27節、イザヤ書53章1~10節
■説教要約:
ローマの信徒への手紙の最後は「頌栄」である。神をほめたたえ、神に栄光を帰してこの手紙は終わる。原文ではこの「頌栄」は「あなたがたを強めることがおできになる方・・・栄光が世々限りなくありますように、アーメン」という一つの歌である。この「強める」と同じ言葉は、この手紙のはじめにローマ訪問の願いと共に語られた(1:11)。パウロの願いは、この手紙の最後に頌栄として語られる。
神は何によって強めて下さるのか。「福音」である。パウロは「あなたがたにも福音を告げ知らせたい」(1:15)と願い、「福音は・・信じる者すべてに救いをもたらす神の力」と宣言する(1:16)。そしてパウロはこの手紙を通して、この「福音」を「イエス・キリストの宣教」として語った。
パウロは、それをまとめるようにこの頌栄を歌う。「この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです」。人間にとってミステリーであった神の計画は、福音によって明らかにされた。それはイエス・キリストであった。キリストが来て下さったことによって、神のご計画は明らかにされ、私たちの救いが実現した。
私たちは、このキリストの福音を「預言者たちの書き物」(聖書)によって知らされ「信仰による従順」へと導かれた。この福音は「すべての異邦人へと知られることになった」。パウロはそのために用いられた。
パウロはこのキリストの福音を「わたしの福音」と呼ぶ。私たちも福音を「わたしの福音」と呼ぶことができる者である。そしてその喜びと共に、福音を宣べ伝えるのである。
キリストは来て下さり、今や神の救いのご計画は現された。私たちも頌栄をささげて、この手紙を読み終えよう。