あなたも敵を愛しなさい(2021/3/28) 高橋真之伝道師
「あなたも敵を愛しなさい」
レビ記19章17~18節/ルカによる福音書6章27~36節
高橋真之伝道師
主イエスの「敵を愛しなさい」というご命令は、実行することの難しさがある。しかし私たちにとってこの御言葉とは、単なる理想であってはならない。なぜなら、主イエスの「敵を愛しなさい」という御言葉は、この世の倫理や道徳として語られたものではなく、「神の国」に生きる者の在り方として語られたことだからである。つまり、「敵を愛する」とは、主イエスによって救われ「神の国」に生きる私たちが、現実において成していかなければならないことなのだ。
しかもその愛は、誰かがしてくれるのを待つのではない。主イエスが「私の言葉を聞くあなたがたに言っておく。」と言われているように、まさに私たちから愛することを始めなければならないのである。
それは容易いことではない。しかし、だからこそ忘れてはならないことがある。それは、私たちが誰かを愛するよりも先に、神が私たちを愛してくださっているということ。その神の愛は、主イエスの十字架にこそ最もはっきりと表れている。
そして、私たちが誰かを愛するというのは、その神の愛に押し出されて、その愛をモデルとして、またその愛を成し遂げてくださったキリストと共に成していくことなのである。
そうしてもし、私たちが敵のために冷たい一杯の水を差しだすことが出来たのならば、その敵のために祈ることが出来たのならば、私たちは神の国への小さな一歩を踏み出すことが出来るのではないだろうか。そして、それこそが、主イエスによって救われ、神の国に生きようとする私たちの歩みなのである。