礼拝説教要約「初めに言あり」(2024/12/1)を掲載しました
担当 熊江秀一牧師
■聖書箇所(聖書協会共同訳)
ヨハネによる福音書 1章1節~5節 創世記 1章1節~5節
アドベントを迎えた。今年はクリスマスに向けて、光の福音書と呼ばれるヨハネ福音書を読む。ヨハネは「私は世の光」と語られた主が、闇の世を照らす光として到来されたことを告げる。クリスマスは冬至の時期に祝われる。それは闇の最も深い中、光として来られたお方を祝うためである。
ヨハネはまず「初めに言があった」と語る。「言」はロゴスである。これは普通使う、言葉という意味を越えて、「意志」、「物の本質」、「土台」という意味がある。
現代社会は「ロゴスなき時代」である。科学技術が発達した一方、本質が見失われ、コミュニケーションが欠乏し、人が孤立している時代である。それはコロナ禍を経て深刻になった。それはさらに言えば、神を見失った時代である。その現実の中、ヨハネは、神のロゴスが、すべてに先立ってあり、それによってすべてのものが造られ、その土台になったと宣言する。
神のロゴスの内にすべてのものを生かす命があり、私たちの歩み道を照らす光がある。そしてこの神のロゴスが肉体となって、私たちのもとに来て下さった出来事がクリスマス。イエス・キリストの誕生である。
すべては神のロゴスによって良いものとして創造された。しかしこの世は罪に覆われ、闇となった。その罪の世を救うために、神のロゴスは肉を取り、人間となった。
「光は闇の中で輝いている」は現在形である。また聖書協会共同訳では「闇は光に勝たなかった」と訳された(新共同訳「理解しなかった」)。どんなに闇が深くても、闇が光を受け入れなくても、光は今も闇の中で輝き続けている。そして光は闇に勝利している。
全世界の民と共に、この命の光に照らされ、神の言キリストをお迎えし、共にクリスマスに向かって歩もう。