礼拝説教要約「福音に生きる」(2023/5/7)を掲載しました
担当 熊江秀一牧師
■聖書箇所
マルコによる福音書 1章1節 創世記 1章1節~2章3節
■説教要約
本日よりマルコ福音書を読み進む。この福音書は私たちに信仰の決断を迫る。当時エルサレム神殿の崩壊の中、終末の到来という緊張感があった。その中で福音を受け入れ、イエスを神の子メシアと信じるかの信仰の決断を迫るのである。まずその冒頭が与えられた。「神の子イエス・キリストの福音の初め」。
私が求道者時代、初めてこの福音書を通読した時、この冒頭を読んで「神の子イエス・キリストの福音のはじまり、はじまり!」という印象を持った。これはあながち間違いではなかった。ある英訳聖書を訳せば「ここにはじまる!」となる。ここからキリストの福音がはじまるのです。私の心の中に福音が明らかにされ、ここから福音に生きる歩みが始まるのです。この冒頭は強いインパクトを持って、私たちを福音へと、福音の物語へと招く。
またこの冒頭にはもう一つの意味がある。原典の順番で訳すと「はじめに福音・・・」となる。これは創世記「はじめに神は天と地を創造された」と対をなす。このマルコ福音書には、福音によって私たちを新しい存在にするという新しい創世記という意味がある。
マルコ福音書のクライマックスは16章の百人隊長の告白である。彼は十字架のナザレ人イエスの死の様に直面して「本当に、この人は神の子だった」と告白した。「神の子イエス・キリストの福音のはじめ」から始まるこの福音書は「本当に、この人は神の子だった」という人間の告白によって頂点に達する。このイエス・キリストの十字架の愛と救いの福音として今、ここに始まろうとしている。私たちに命を与える新しい創造の出来事が今、ここにはじまろうとしている。だからこの福音を受け入れ、イエスを神の子と信じる決断をして、信仰の道を歩もう。