聖霊による命(2021/5/23)熊江秀一牧師

ローマの信徒への手紙8章1~11節
詩編23編1~6節

ペンテコステにローマ書の最高峰と呼ばれる8章が与えられた。パウロは「今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定めらえることはありません」と喜びの叫びをあげ、罪と死からの解放を宣言する。

「キリストに結ばれている者」は「エン・クリストー」(直訳・キリストの中にある者)である。教会はこの言葉にキリストに対する「合一」と「応答」を見てきた。

「肉の弱さのために」不可能だった人間の救いを、キリストが十字架によって実現し、罪と死から解放して下さった。「エン・クリストー」には一方的な神の恵みの御業がある。

そしてそのために大切なのは聖霊である。私たちは聖霊によって「キリストに結ばれ、一つとされる。

パウロは「肉の思い」と「霊の思い」の二つの生き方があると告げる。肉の思いは「自分と自分のものを求める心」(ルター)。それはむさぼりであり、行きつくところは死である。

霊の思いは、神の律法に従うことである。それは「御名をあがめさせたえ」という祈りに集約される。その行きつくところは命と平和である。聖霊によってキリストと結ばれて生きることに、命と平和があり、私たちの希望がある。

そしてそれは死さえも乗り越える復活の希望である。死に打ち勝ったキリストがわが内におられる。だから死はもはや死ではない。この私が、聖霊によって、キリストの命につながるのである。

パウロは私たちに迫る。肉の思いと霊の思いのどちらを歩むのか。肉に思いに生きるのではなく、罪と死からあなたを解放したキリストの命の霊の法則に従って歩めと告げる。私たちは聖霊に導かれ、キリストに結ばれて、その恵みに応答して生きるように招かれている。今日、新たに遣わされよう。

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