恐れなくてよい(2020/06/28 高橋真之伝道師)*説教音声あり
「恐れなくてよい」イザヤ書43節1~7節/マタイによる福音書10章26~30節
高橋真之伝道師
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恐れの中を生きている私たちに、主イエスの「恐れるな」というみ言葉が与えれました。これは大変強い言葉ですが、いったいこの「恐れるな」というみ言葉の根拠は何であるのでしょうか。なぜ私達は恐れなくてよいのでしょうか。
このみ言葉が語られたのは、主が弟子たちを伝道に遣わす時でした。注目したいのは、この言葉を語る直前に主が弟子たちの苦難を予告していることです。つまり主は「あなたたちには何も怖いことなど起こらない」から「恐れるな」と言われたのではないのです。むしろ「あなたたちには苦しみが必ずある。」けれど、「恐れるな」と言われたということです。
それでは、苦しみが必ずあるというのになぜ私達は「恐れるな」と言われているのか。それは、私たちに与えられるものがあるからです。
私たちに与えられるもの、それは「神の国」です。 この神の国とは、神様が全てを支配される世界のことを指しています。
ところで、私達は支配と聞くと、「力で押さえつけられる」というような意味を連想いたします。しかし、神の支配とは、そういうものではなく、神様の愛と恵みによる支配なのです。そして主イエスは、この神様の愛の支配が、雀のような小さな動物にも向けられていることをお語りになります。雀でさえそうなのですから、私達人間ならばなおさらのことです。私達は髪の毛一本までも数えられるほどに神様の愛に包まれているのです。
私達はこの神様の愛に包まれて生きることができるのです。だから主は「恐れるな」と言われたのです。 もちろん、この神の国はいまだ完成しておりません。だから、私達にはいまだに苦しみがあります。しかし、私達は神の愛を知っています。その苦しみが私達を滅ぼすものでは無いことを知っています。だからこそ私達は落胆しないのです。そのことを心に留めつつ、神の国の完成に向かって歩もうではありませんか。