「世から選び出された者」(2020/02/02 熊江秀一牧師)*説教音声あり
「世から選び出された者」詩編69編1節~14節/ヨハネによる福音書15章18節~27節
熊江 秀一牧師
主イエスは決別説教の中で信仰者の迫害を予告された。今の日本では信教の自由の下、命が脅かされるような迫害はない。しかし今も信仰が否定され、信仰者ゆえの困難が起こる。
なぜこのようなことが起こるのか。信仰者は「世に属する者」ではなく「世から選び出された者」だからと主は告げる。この世の価値観や自分を中心として生きるのではなく、御心を求め、神を中心にして生きるゆえに困難や迫害が起こる。
そのような時、どうすればいいのか。主イエスは「世があなたがたを憎むなら、あなたがたを憎む前に、主イエスを憎んでいたことを覚えなさい」と告げる。世の敵意に対して敵意を返すのでなく、それを無視するのでもなく、十字架の主に心を向けるのである。
しかもその時、主は助け主として聖霊を遣わして下さる。「弁護者」は口語訳聖書では「助け主」である。迫害の中、十字架の主に祈る時、聖霊が与えられる。その時、聖霊によって、御心を知らされ、御言葉が示される。そして主の平和、平安が与えられる。それは大きな希望である。
さらに主イエスは「僕は主人にまさりはしない」と告げる。主はこの言葉を通して、信仰者がこの世で受ける苦難が、主の受難とつながっていることを言おうとされた。私たちの苦しみはすべて十字架の主イエスにつながっている。だから十字架の主を覚え、祈るのである。さらにこの言葉によって、主イエスはあなたがたの受ける苦難は決して私の苦しみ以上のものではないことも示された。信仰者がこの世で受ける苦難のさらに深いところに主イエスがおられ、主が支えておられる。
私たちは世から選び出された者として、この世の中で主の証し人として歩もう。